SWファンではない私の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の感想
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『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を観たので、感想を書いておきます。タイトルにもあるように、スター・ウォーズに大して思い入れのない人間の感想です。
総体的に言えば、なかなか面白かったと言えます。
今までのシリーズを知らないとさすがに話はわからないでしょう。前作の『フォースの覚醒』は復習しておいたほうがいいでしょう。幸い、公開直前にテレビでフォースの覚醒をやったので、私はそれで復習できました。
多様性への試み
フォースの覚醒では、最近の倫理的傾向をくみ、主人公が女性となり話題となりましたが、本作ではその傾向がより強まっています。
女性が男性を引っ張り、導いていく。状況を変える大事な役目も女性が担っています。女性が重要な物語の牽引役になっています。一方で、レジスタンスの英雄ポーの戦略・行為は無謀だと批判されます。スター・ウォーズシリーズを問わず、映画内ではポーのように仲間のために無茶な行動をするのは英雄の「あるある」なのですが。
いかにもマッチョな思想・行動から距離をとり、現実世界で求められている「多様性」を映画内に反映させていこう、あるいはもっと積極的に映画を通じて「多様性」のメッセージを発信していこうということなのかもしれません。
個人的には面白い試みだと思います。ポリティカル・コレクトネスだからということよりも、物語の新しい可能性が見れるかもしれないからです。男性主人公を女性にしただけで、何も変わらない物語をよく見るからです。
本作「多様性」のメッセージについては、下の記事に詳しく書かれています。
映画的な
上記のような新しい方向性に興味はありつつも、スター・ウォーズの物語が好きかというと、さほどです。話の展開にワクワクするかと言えば、そんなでもないです。
本作で一番よかったのは、レイとレンのテレパシー的なやりとり。
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高度なビジュアルエフェクトを盛大に使っているのに、このシーンはなんと古典的な映画手法のカットつなぎを使っている。
別々の場所にいても、向かいあっているようにカットをつなぐと、対面・対話しているように見えるものです。
実に映画的!
あまりに当たり前過ぎる手法ですが、最新のビジュアルエフェクトの技術がつまった映画で、こんなにも重要なシーンで、こんなにも大胆に使われていることに感動してしまった。
ビジュアルエフェクトがなくても、映画はその存在がもとよりマジカルな性質をもっているのですね。映画発明初期に庶民が驚いたように。
それ以外で好きなシーンは、人物たちが走るシーンです。
前作のフォースの覚醒で思ったことなのですが、走るシーンが実に魅力的です。
どういいのかと説明するのはむずかしいいのですが、戦闘機の戦闘のシーンなんかよりずっといいと思います。
フォースの全能性
さて、ちょっと批判めいたことを言うと、スター・ウォーズを見ると毎回思うのですが、フォースが全能過ぎるということ。別の言い方をすれば曖昧過ぎるということです。
特殊能力が全能だと物語に緊張感がなくなるのです。だって、なんだってその特殊能力で片付けてしまえばいいとなってしまうから。
フォースもそんなものになってしまっている気がします。
フォースに何が出来て何が出来ないのかをはっきりさせないと、全部フォースでなんとかすれbいいいんじゃないのと思ってします。
特殊能力を持ち出すなら、絶対にそれに限定性を設けるべきだというのが持論です。
わかりやすい例で言えば、X−メンシリーズ。特殊能力はそれぞれ限定されているから、ピンチにもなるし、足りないところを仲間と補完し合うということができるのです。
フォースって結局なんの? と問うことは、スター・ウォーズファンからすれば、不粋なことでしょうが、物語の緊張感という点では限定性はあったほうがいいと思う。
ビーム銃もあるし、遠隔でものを動かすサイコキネシス的なことができるのに、なぜライトセーバーで接近戦をしているのか、とつい意地の悪いことを考えてしまいます。
エピソードいくつかで、その説明があったとしたら、すいません。
この話とは違いますが、本作におけるツッコミどころが、下の記事にまとまっているので、ご参考に。熱狂的なファンではない私は、「そうそうなぞだよね」と笑いながら読んでしまいました。
ガンダムを思い出した
ここからは完全に余談です。
ところどころ既視感があって、似たようなシーンどっかで見たなあと思ったのですが、ガンダムでした。
冒頭、輸送機から爆弾を落とそうとするが爆撃を受けて(?)スイッチが起動しない。そこで女性兵士(ローズの姉かな?)が爆弾が格納しているスペースに行って、手動で爆弾を落とす……みたいなシーン。
ファーストガンダムファンならすぐピンとくると思います。カイ・シデンとミハルのエピソードです。劇場版で言うと『機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編』。
冒頭で、ガンダムを想起してしまったものだから、他のシーンもなんなくガンダムから既視感を感じてしまいました。
それと先に挙げたレイとレンのフォースでのテレパシー的やりとり。アムロとララのテレパシー的なコミュニケーションを想起した。
ローズが身を挺してフィンを救おうとするシーンは、リュウ・ホセイがコアファイターでアムロを助けてた自己犠牲を想起した。
もしかして、監督・脚本ライアン・ジョンソンはひそかにガンダムフリークなんではないかと勝手に推測している。
(レイの名前の由来は、アムロ・レイ?なんていうのは考え過ぎ。偶然だろう)
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