ジョン・ウー監督福山雅治主演「マンハント」感想
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日本だらけだけど、やっぱり変
主演は日本人福山雅治。
舞台は日本の大阪あたり。
高倉健主演でヒットした日本映画「君よ憤怒の河を渉れ」(原作は西村寿行著の同名小説)のリメイク。
それをあのジョン・ウーが監督するというから、期待と怖いもの見たさ半分で観に行った。
感想を簡潔に言えば、「ジョン・ウーの映画だった」ということになる。
日本が舞台で、日本人俳優がたくさん出演していても、ジョン・ウーはジョン・ウーでした。
私はジョン・ウーが好きなので良かったのですが、ジョン・ウーのことをよく知らないで観てしまうと「トンデモ映画」になってしまうかもしれない。
フィクションとしての「日本の警察」
映画なりドラマなり、「日本警察はこういうもの」というある一定の描かれ方があるので、それが現実の警察とは違っていても、私たちはそれがリアルだと思ってしまっている。「踊る大捜査線」とか「相棒」とかが作ったフィクションでしかない。
だから、「日本の警察とはこういうもの」という共通認識からかけ離れた「マンハント」はただただナンセンスとしか映らないだろう。
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そのへんが気になると、この映画はちっとも面白くないでしょう。そういう人結構いそうです。
でもどうでしょう、これが香港やアメリカが舞台だったら?
そうしたらリアリティを無視して楽しめたと思います。
個人的には「日本の警察とはこういうもの」という認識なんて、それはそれでフィクションでしかないのだから、それを引き合いにリアルじゃないとケチをつけるのは変だと思うわけです。
今が「西部警察」や「あぶない刑事」の時代だったら、そんなに違和感なかったかもしれません。(今思うと「西部警察」も「あぶない刑事」もメチャクチャだったなあ)
それにこれは日本だけでなくアジアや世界で公開をすることを念頭において作られているでしょうから、狭い「日本映画」なんて枠からはみ出していて当然なのです。
よくもわるくもジョン・ウー
と擁護しつつも、日本を舞台にするとジョン・ウーのメチャクチャさ際立ちます。過剰すぎて、笑っちゃいます。
最後の方の薬工場の人工的で無機質な抽象的な空間が残念だった。あの空間のせいで派手なアクションも陳腐に見えてしまった。
そう言えば、ジョン・ウーの過去作にトム・クルーズ主演「ミッション・インポッシブル2」があります。あれも新薬を巡っての話でした。そのときも薬を体内にいれて、視点を肉体にうつしていました。キーとなるモノがどう物語を紡ぐのかよりも、それを巡る肉体のほうに興味があるのでしょう。
この映画の見方としては、そうそうに気持ちを切り替えて、ジョン・ウー演出のメチャクチャさを楽しんだほうがいいでしょう。間違っても「日本の警察はこんなことしない」なんてアラ探し的な見方はしないほうがいい。
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