読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

LIFE DRIPPER

「くらしのしずく」-日々のくらしから抽出された発見やアイディア-をお届けします

映画『ジャージー・ボーイズ』をおすすめする理由 ─ 「人生という舞台から降りてはいけない」名匠にして名優イーストウッドの人生哲学

スポンサーリンク


映画『ジャージー・ボーイズ』オフィシャルサイト

『ジャージー・ボーイズ』はこんな映画

先日、映画『ジャージー・ボーイズ』を観てきました。
すごく面白かったので、紹介します。

監督は名匠にして名優のクリント・イーストウッドです。 たくさんの代表作があります。
有名どころだと、『マディソン郡の橋』とか『パーフェクト・ワールド』とかアカデミー賞を取った『許されざる者』などでしょうか(他にもたくさん名作があります。他はコチラ)。
自分で監督しながら自分も出ちゃう人です(日本だと北野武みたいな感じです)。
本作は監督のみのパターンですね。出演はしていません。

イーストウッドの監督作品は全て観ています。出演だけのものも全てではないですがほぼ観ていると思います。

そう、イーストウッドが好きなのです。
だから、たいした情報もないまま、イーストウッドの新作ということで映画館に足を運びました。

驚いたのが、原作がミュージカルだということ。
あのイーストウッドがミュージカル?って感じです。

フォーシーズンズという実在のバンドの実話をもとにしたミュージカルがもとです。
フォーシーズンズってビートルズより前のバンドです。
名前は聞いたことなくても曲は何かしらの形で聞いたことあるはずです。
有名な曲ばかりですし、多くのアーティストにカバーされてますから。
一番有名なのはこれかな!?
「君の瞳に恋してる」


Can't Take My Eyes off You - Frankie Valli and The 4 Seasons - YouTube

名曲ですね。日本のミュージシャンもカバーしてます。

さて、このフォーシーズンズという4人組バンドの成り立ちからの顛末を彼ら自身の曲とともに綴るミュージカルを映画化したのが本作です。

感想

ショービジネスの光と影

一応ミュージカルと紹介しましたが、ミュージカルテイストは薄いです。
ミュージカルが得意じゃない人もすんなり観れると思います。
逆に言えば、濃厚なミュージカルを期待している人は肩透かしをくうかもしれません。 実にスムーズに音楽シーンに移行します。ダンスも抑えめ。

主に描かれるのはアメリカのショービジネスにありがちな光と影です。
マフィアがからんできたり、メンバーの方向性がずれてきたり、家族関係がうまく行かなくなったり、ステレオタイプな印象でした。

混ざり合う光と影

問題はその描き方なんです。 ステレオタイプって言ったって、われわれ凡人には計り知れない人生です。 成功=光の規模も大きければ、失敗=影の痛みも半端ありません。
でも、です。
イーストウッドはそのコントラストをあっさり演出してしまうんです。

フォーシーズンズの曲はポップソングばかり。 だからシリアスなシーンの後にもポップ音楽が流れ、軽快なステップを踏むシーンが続きます。境目なく流れるように。

しかも、登場人物自身がナレーションも担当し、突然カメラ目線で観客の我々に話しかけてくるのだから、余計に境目があやふやに感じられます。

後半はひりひり痛むようなシリアスなエピソードが続きます。でも、その描写は抑えめ。もっとドラマティックにできるだろうに。 ラストなんてマフィア役のあのクリストファー・ウォーケンも陽気に踊っちゃうんだから。

人生を演じるのは自分であり、同時に演出=創造するのも自分

ダメ出ししているみたいですが、むしろ逆。
そこがよかったんです。

  • 人生におけるヒリヒリと痛む小さな傷や取り返しのつかない大きな傷すらフィクションやショーみたいなもんだ。
  • 表舞台も裏舞台も本質的な違いはない。ともに人生なのだ。

イーストウッドは言いたいように見えます。 数多く監督主演をしてきたイーストウッドならではの人生観かもしれません。
「人生を演じるのは他の誰でもない自分自身であり、同時に演出=創造するのも自分自身」なのだと。

人生という舞台から降りてはいけない

だからこのシーンは見逃さずに観て欲しい。

リードボーカルのフランキーの愛娘が夭折してしまいます。
その葬儀が終わったあと、カフェで悲嘆にくれるフランキー。雪降る中、そこに作曲担当でもあるメンバーのボブ・ゴーディオがやって来ます。
「新曲ができたんだ」と譜面を持ってきています。
フランキーは当然、「愛娘の葬儀の日に新曲だと!」ってなります。お前空気読めねえな、って(もちろんそんな台詞はありません)。
でもボブはいい曲だからやろうと言って、雪の中に去っていきます。

このシーン、ほんと美しいです。
ボブが言いたかったのはきっと「どんな苦難が訪れても、人生という舞台から降りてはいけない。音楽=創造をやめてはいけない」ってことだったのかなと思います。

その新曲というのがCan't Take My Eyes off You - Frankie Valli and The 4 Seasons 邦題「君の瞳に恋してる」なんですよ。 その後フランキーがこのポップなラブソングを唄うシーンは泣けます。鳥肌ものです。

イーストウッド好き、フォーシーズンズのファンはもちろん、そうではない方にも観てほしい。
映画館からの帰り道、きっと「君の瞳に恋してる」をセンチメンタルな気分で口ずさむことでしょう。

予告編はこちら


映画『ジャージー・ボーイズ』日本オリジナル予告【HD】 2014年9月27日公開 - YouTube

 

スーパー・オーディオ・ベスト

スーパー・オーディオ・ベスト

 
ジャージー・ボーイズ オリジナル・サウンドトラック

ジャージー・ボーイズ オリジナル・サウンドトラック