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「素晴らしき哉、人生!」と「パーフェクト・ワールド」、人生を肯定する映画

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質問「好きな映画は?」への対策

聞かれると困る質問は結構あって、例えば「好きな食べ物」。好き嫌いがないから結構困る。

同様に、「好きな映画は?」も困る質問の1つだ。

「休みの日は何してるんですか?」と聞かれ、映画と答えると、話題は「好きな映画は?」になる。

最近見た映画で面白かったのは? のほうが断然楽に答えられる。選択肢が少ないから。

自分の中でランキングをつけているわけではないから、ベスト1を答えるのは難しい。

聞いた方もそんなに深い話をしたいわけではないわけで、真面目に「好きな映画は?」という質問がいかに不粋かと説明しても、それこそこちらが不粋である。

なので、ある時期からこの質問の答えを自分で設定した。マニアック過ぎず、通俗的過ぎず、嘘にならないほど愛着がある作品。

2作とも何回も観たことがあり、愛着がある。比較的新しい作品とクラシックの名作。質問者が観てみます、となっても安心して勧められる。レンタルビデオも間違いなくある。さほど感動しなかったという感想はあるだろうが、まったく面白くないという感想はほぼないだろう。

我ながら、バランスのとれたいい選択だと思っている。

ついこの間もこの質問をされた。

それで久々に観直そうと思ったら、ビデオを処分してしまって、ない。これでは嘘になってしまうので、急遽DVDを買った。

観直してみて、やっぱ好きだなあと思う。

実は似ている!?

あらためて観てみて、図らずも、2作は似ていると思った。

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素晴らしき哉、人生!」はハッピーエンド、「パーフェクト・ワールド」はバッドエンドだけれども、2作とも、この世界を、この人生を肯定しようとする。「素晴らしき哉、人生!」は楽天的に、「パーフェクト・ワールド」は悲劇的に。

俺の人生はいつも誰かのための、誰かの犠牲になる人生だった、俺など生まれてこなければよかったんだ。

素晴らしき哉、人生!」の主人公ジョージ・ベイリー(ジェームズ・ステュアート)も、「パーフェクト・ワールド」の主人公ブッチ(ケビン・コスナー)もともに、経緯は別にして、そう思ってる。

しかし(ジョージ・ベイリーは天使を介して、ブッチは少年を介してはいるが)、基本的には自分自身の意志の力で自分の人生を救済する。

この際、「素晴らしき哉、人生!」がハッピーエンド、「パーフェクト・ワールド」がバッドエンドだということは作劇法の違いに過ぎない。

いわゆる「泣ける」映画だ。しかし泣けるのは、「素晴らしき哉、人生!」の奇跡や「パーフェクト・ワールド」の悲劇に対してではなく、どんな人生も救済の可能性があると知るからではないだろうか。

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